3.
 
 授業開始からしばらくの間、ヘレナにはサキとゆっくり話し合う機会がなかった。
二人とも新学期を向えて、新しいクラスでいろいろと多忙だったし、夜、部屋に帰れば、明日の授業の下調べに復讐。
さらに半年後へ向けての受験勉強がきつくて、眠るのはいつも2時、3時。時には徹夜することもある。
二人とも勉強中は一心不乱。わき目もふらずに勉強した。
勉強は、楽しかった。
確たる目的が間近にせまって、なおいっそう張りが出た。
 
「あ〜あ! でも……」
一ヶ月して、ついにサキがベッドにひっくりかえって言ったものだ。
「みんな良くもつよ。連日連日3時間睡眠でサ」
「3時間?」
ヘレナに聞きとがめられて、あわててサキは口をつぐんだけれど、ヘレナをごまかすことはできなかった。
二人のスケジュールは、授業と勉強の内容を除けば、ほぼ同じになっていて、それによれば、特別な日に徹夜しない限りは最低4時間から6時間、きちんきちんとヘレナは眠っていた。
問いつめられたサキは返事に詰まって、だって……と言いよどんだ。
「言
 
             (未完)

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