地域別教育期間中は、虚弱体質とか特別な理由がない限り、その地区内で初等課の教育をうけるのが普通になっている。
サキもまた例外ではなく、バレエを習うようになってからは、午前中は地区の学校で体育実技以外の普通授業をうけ、午後にはユアミ市内の別の地区の、星立舞踊団(テラ・バリエナス)附属学校へ通って、バレエ始め古今東西のありとあらゆる舞踊を基礎からたたきこまれた。
サキは踊る事が好きだったし、周囲も彼女に期待していた。
舞踊団の人間はだれもかも、サキが12歳になったら舞踊実技を選択し、姉サユリがそうであるように、大御所のだれかの内弟子になって、義務教育課程が終わりしだい職業舞踊手になるのだろうと思っていた。
が、サキはそうしなかった。
彼女は、地域別教育終了と共に行われる、頭脳ランクによる進学校ふりわけにおいて、地球系星間連邦ずい一の英才をもって誇るアロウ・スクール編入を希望したのだ。
正に驚天動地。
サユリを始めとして、バレエ界の教師たちはこぞってサキの才能をなげきおしみ、また、本当に秋を知らない人々は、気でもふれたかとあざわらった。
いや、アロウ・スクールどまりならばまだよい。
サキの最終目的は、リスタルラーナ星間連合の、最高教育機関S・S・Sへの留学資格を得る事だったのだ。
地球系星人何十億かのうち、サキと同じ年にアロウ・スクール編入を志ざす者約一億。そのうち運よく合格する者1000名。交換留学生の枠は……60名。
さして勉強していなくて、どの科目もまあ中の上から上上までとれるサキにしてみても、針の先ほどもない可能性だ。
が、サキは、とにかくはげみにはげんで勉強して、ついになぜかアロウ・スクールに合格してしまった。
あとはまあとにかくがんばって、来年の資格審査試験1000分の60に喰いこむべく努力するしかない。
たとえまわりの人間全てがどんな反応を示そうと、
(未完)
1
2
3家庭
4 教育
5 期間
6初等
7 教育
8 期間
9(入試)資格
10 基本科(ファーツアロウ)
11 (SSS)
12 (実・応)
13高等
14 教育
15 期間
16(実・応)
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