みちの涯(はて)の村というは名のとおり草深き街道の涯てるに在りて、両の懸崖に深山の星花群れ咲く木の下闇に挟まれながら、山人(ミアト)の者でも二日、慣れぬ者なら三晩の野宿を経た後に、ようよう辿りつこうかという人跡稀な地の小なる僻村である。

 
 深山の星花(みやまのほしはな)= シャガ

 花見草(はなみぐさ)= うちの庭のピンクのやつ(桃色月見草)。

 
 (マシカの上半身図。シャーペン+色鉛筆描き、あり。)
 
 大地世界(ダレムアス)は実はよく考えたら私が持っている唯一のファンタジーワールド(大きいのはこれだけ。小さい亜空間レベルは幾つかあるが)だし、単純に「未来社会」または「宇宙空間」という設定しかなかったエスパに比べ、一から自分の好み(理想)通りに造りあげようとした最初の世界でもあるしで、結局のところ選択肢と迷いと願望が多すぎて、いまだに実態が固定化していない。ので、とーぶん書けないんである、と、つい今朝がた気がついた。他のファンタジー世界を創造して、「そこでやりたいこと」を振り分けて整理しないと設定が固着できないだろーなこれは★

 今たまっている机の上のワープロの仕事2件(……と思っていたら電話が鳴って、さらに急ぎのテープ起こしが1件増えてしまった★……工事の騒音は、いつ終わるんだー?!)と、それを理由にさぼり続けている書類の整理が片づいたら、『リステラス星圏史略』という話のアラスジに手をつけて明美ちゃんを悩まそー!とか考えてはいるんだが、ダレムアス物語は、その1部(導入部?)を占めるである。(ファイブスター物語を読み始めたけどズルイぞあれはー! あーんないーっかげんな描き方で読者がついてきて商業ベースに乗るって言うなら、いつでも私だってプロになったるわい!)
 ……じゃなくて、ダレムアスの話。(……しかし大工さんがウルサイと言って、仕事も読書もできない(やらない)くせに、なぜこういう話は書ける…? とか言ってるうちに、またもう1枚タタミはがすからとか言って、タンスまで移動した……!
 ガウガウ〜!)

 大地世界。ダレムアス。ダィレムアースとかディレマスとか“誰夢明日”(たれかあすをゆめみん)とか、言語によって色々な呼ばれ方はしている。上古代に4柱の兄弟姉妹神によって創られた隣接する4世界(当初は亜空間。のち、時空震の影響で通常空間に次元落ちした)のうちの1つで、妹であるマライアヌ女神(ディアドライム)(別称は慈母の夢マリアンドリーム)の主導によって創造された。彼女を補佐した神々が主だった者だけで9柱?あり、生物層や社会体制については立憲君主制というか、合議制に近い設定だった。この点で、主導神のほとんど独断で造営された、姉神リーシェソルトの天球界(エルシャムリア)、兄神(名前忘れた★)の地洞界(ボルドガスドム)、弟神ティアスラァルの地球界(ティカーセラス)とは、一線を画している。4界の下位の神々や住人たちは当初は平和裡に往来していたが、主神同士のあいだに諌かいが生じるに及んで次第に疎遠になり、接点(次元通路)を残して国使のみの訪問となり、やがて戦乱の時代を経て街道は完全に封印され、互いに伝説の彼方へと忘れ去ることになった。
 この主神たちの諌かいについては、兄神がみずからの民をたわむれに造りまた殺すのを楽しみとしたこと、弟神が創界なかばにして飽きてしまい生物層を混乱のままに放置したこと、この2点を姉神が厳しく非難したことを、主な要因とする。兄神は長姉であるリーシェンソルトに邪恋を抱いてもおり、うるさい口を黙らせついでに我がものにせんとして、異形の民を創造して軍を編成し、天球界に攻め込むに及んだ。安寧きわまりない学究都市であった天球界の民の大半は消滅し、姉神リーシェンソルトはこれにより界の閉鎖を宣言し、結界を築いて休眠してしまう。これより4界は3界となり、互いにバラバラな歴史を築くこととなった。
 兄姉あるいは弟妹(ていまい)またはごく親しい者への一方的な恋慕は、この4界に繰り返し現れる一種のカルマである。大地世界の女神マライアヌは被造物であるはずの民の一人との恋に陥り、自ら定めた法(寿命の差がありすぎる異族間での婚姻を結んだ者は、短命な側の死とともに帰天(ゲームオーバー)しなければならないという始源の法定が大地世界にはある)を遵守せんがために、人族の命数に殉じて歴史のなかばにして帰天したが、その物語には当初の許婚者と見なされていた男神(副神)(パートナー)が、女神の悲嘆を愁えるあまり、恋敵である人間の男をかばって先に落命したという逸話もある。主神・副神の2柱をともに予想外に早く失った大地世界は、その後、女神と人間の男とのあいだに生まれた半神女マリステアの子孫(皇族)を統治者として、長くゆるやかな歴史をつむぐこととなる。
 創造なかばにして主神を失った大地世界は物理法則?の長である大地の女神が生物種の後見をも兼ねることとなったが、自然界の精霊らを統治する存在である大地母神は人界の歴史に介入することは殆どなかった。ダレムアスの界(大地)はいまだ成長期にあり拡大を続けており、人族の築いた集落や都邑どうしが次第に遠距離に散らばっていくに従って、神都に住まう皇族の統治は及び難いものになり、また、4界争乱時の移民(難民)である異族らはそれぞれの王を仰ぐことを好んだ為に、大地の民としての一体感は失われていく。
やがて「遠方に離れた民を見捨てるのか」と、神都皇族の怠慢に憤った皇子の一人が西方の砂漠地帯に西(モルナス)皇朝を築き、その心情に同調する国々と、神都の権威を無視する行為と憤った都市群との間で戦闘(とは言え大地世界のそれは“こぜりあい”程度)が起こった。ダレムアス唯一の内乱時代である。数世代の混乱を経て、神都皇族は全土の統治に都合のよい平野部への遷都を決意し、街道沿いの沃野に聖美白都(ルア・マルライン)を築く。西(モルナス)皇族は白都(マルライン)皇族の権威を預かる存在と定義づけられ、西方の民のよりどころとなる。皇族同士の根に残った反感をやわらげる為に、いずれ双方の皇族からふさわしい許婚者を出して、分かれた血族を再び統一するものという約束を残して……。

 やっとフェルにーちゃんが出たぞ。
 飛仙の一族はもともと天球界(エルシャマーリャ)の住人であり、争乱の衝撃にも帰天することなく耐え、女神リーシェンソルトに殉じて眠りにつくことも安楽としなかった、天球人としては異色の根性すわった人々の子孫である。とは言えダレムアスや地球の一般人から見ればはるかに思索的で穏やかで高尚な連中である。地球へ移住した同族たちは“精霊”(ファミコンで言うハイエルフの方。『指輪物語』では森の精霊(シルヴァンエルフ)とも)“神仙”などとも呼ばれ、また南米大陸では「海の向こうに去った白い神々」の伝承のもとともなった。日本と呼ばれる島国に争乱時代より前に移民(婿入り?)した者たちの末は善野(おおの)に子孫を残し、白鳥天宮(しらとりてんぐう)(白色天狗)の名で祖神として奉られている。余談だがダレムアス(皇女戦記)シリーズの主要キャラである“地球人”翼 雄輝(つばさ・ゆうき)(このナマエ変えようかー★)はこの直系の当主一族の最後の生き残りであった。大地世界においては北東部の広大な森林地帯を占有?しており、大地の民の崇敬を受けてはいるが、あまり人界に関わることはない、謎の存在でもある。
 東西皇朝の分裂の混乱が修復されてから数世代。白都皇朝に、ある暢気(のんき)な皇太子が生まれ、若い頃に見聞修行?と称して大地世界のかなり広い範囲を単身旅行した(それ自体はべつに珍しいことではない)。旅のついでに表敬訪問した飛仙の森で一族の長の娘でありフェルラダルの最愛(溺愛★)の妹でもあるマリスシアラルル姫に一目惚れして、種族と寿命の違いも省みずにその場でプロポーズしてしまい、なんと一発でOKもらって嫁さんに連れて帰ってしまった。この後、仙界では彼女のことを「人間に嫁いで逆縁の不孝(親の寿命より10分の1ぐらいで早死)をする」という意味で、「我らを悲しませた娘」(セイウィラ・ノリウィラウァマ)の名で呼ばれることになる。(人界での略称は女皇(めのきみ)セイラである★)
 以降、未練たらたらの兄君フェルラダルは婿いびり?を兼ねて妹の顔を見るために白都(マルライン)に入り浸るようになった。俗界を離れた仙族のくせに……ヒンシュクなんである★ 妹によく似た姪のマーライシャは猫可愛がりするが、婿似の甥であるマリシアルの方は、同性でもあるしで、どうもイジメて遊んでいたような気が……★(仲が悪いわけではない)

 この辺のホームコメディはさておいて、みなそれぞれ大地世界に対して責任のある身である。長らく封印されたまま所在地すら定かではなくなっていた異界通路がこじ開けられて洞地界の鬼どもが攻め入って来るぞ……という予言がなされ、統治者たちは大パニックとなる。なにしろ千年かけて百人ほどが“戦死”したぐらいの内乱しか経験がない上に、それをまた深く反省しちゃってスポーツとしての武芸すら下火になっていた時代である。どーっしろと言うんだーっ!という叫びは誰もが持ったが、そこで動揺していては女神の末である皇族の名がすたる。最善の道を模索して打てる限りの手は打つことになる。その一貫として、口約束のまま何代もお流れになっていた白都・西皇族間の婚姻を行って全土の結束感を強めておかなければ……というので、白の皇女マーライシャと西の皇子クアロスの婚約が整えられた。妹を溺愛する体質?を伯父から受け継いだ?皇子マリシアルは、連れて逃げようかとまで苦悩するが、責任感の強い妹自身に一蹴されるし彼自身なにより皇太子としての自覚はあるしで、マーライシャは少女の身で西方はるかに輿入れすることになる。(入れ替わりに西の末皇子マデイラが人質?として白都に来る約束だった)
 皇女の行列が白都を出発したその日の夕刻、かつての所在地が判明せずに封印の強化がなされていなかった最後の異次元通路が、実は白都のすぐ近郊にあったという報告があり……燃え上がる城下を見おろした皇たちは呟いた。「もう遅い……」。(ちなみに、この白都通路の4つ辻の1つが地球の善野(おおの)に通じており、後に地球勢力の侵攻の拠点となった)
 この上は西方勢力と合流して再起を図った方が良うございます……と諌める重臣たちを蹴散らして白の都に単身(同行していたフェルにーちゃんは、妹かわいさで後見人の責任放り出して一人で先に飛んでってしまった★)騎乗で戻ったマーライシャが、やはり近郊の出先から駆け戻った後、父母皇から「後を頼む」と言われて再び蹴り出されて来たマリシアルと再会を果たして、二人で東方に逃げ伸びた……その後の話が、『大地世界物語・皇女戦記編』で、きみの言うところのダレムアス・シリーズなんである。
 空を飛んで妹夫妻であり至上の主君でもある大地の男女皇を救けに戻ったフェルラダルは、妹に対して、再び空を飛んで(嫁いでのち重り兼用の装身具をつけて大地の民として地上でのみ暮らしていた)逃げれば良いではないか!と説得するが、すでに命数のつきた男皇のからだを抱いたまま、「女神ですらその定めに殉じられましたのに、たかが飛仙の身で掟が破れましょうか?」と微笑み返されてしまい為すすべもなく、皇子と皇女を頼みますと言われたあげく飛仙の次期族長としての責任まで説かれてしまい(そこまで言われないと妹と心中する覚悟で動かなかったフェルさんもなー…★)結局、炎上する白都から最後に逃げ落ちた。ひとまず故郷である仙族の森に帰ろうか、それとも皇子と皇女を探すのが先か……と迷ううちに追撃軍から弾傷を負い、方向を誤って大地の背骨(ミアティネア)(山脈)地方の山人(ミアト)の国に迷い込み、墜落して山娘マシカに一命を救われた……(実は死にたかったので大きなお世話だったかも★)のが、『宝玉物語』のイントロとなっている。望みをかなえる宝玉である“女神ルマウルンのかけら”は通常は飛仙の女性たちが代々受け継ぐものであり、形見としてセイラ妃から預けられていただけなので、本来なら飛仙の森に戻すかマーライシャに渡すかするのが筋だったのでは……と思うが、当時のフェルさんに理性を期待してはいけない。おかげでキャラと話が増えてしまった……★

 捨て子である星の娘(マ・シカ)の出生の秘密は作者もまだ知らない。謎のままで捨て置いても構わないエピソードなのかも知れない。言動(発想)のパターンからすると地球界系の血筋を引いているのは確かであるが……(いま気がついたが母親かも知れない候補キャラが一人いる★……マシカはもともと和田慎二の明日香シリーズから生まれたキャラなのは確実ではある)。フェルラダルと出会って自分の不思議さを自覚し、マリシアルと恋をしてそれを失った後、マーライシャの到来を待って共に故郷を後にする。その後しばらく自分自身の謎を探す旅をするが、世界の動乱を目のあたりにしてはそんなことどーでもよくなってしまい、皇女と再会した後は侍女がわりや影武者のまねごとなどして重要な役割を果たす。
マーライシャとその腹心である鋭(リレキス)それぞれの内心を知る親友でもあった。戦乱の集結後、初恋の相手であるフェルラダルを口説き落として?結婚したようである。その後の暮らしぶりや子孫の有無や、宝玉の行方については、作者もいまだ知らない。

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