「心配でしょうがない奴なんだ。何をやりだすのかホンット予測もつかなくて。常識なんて概念、カケラもないんじゃないかな。おれがついててやらないと、すぐに杉谷なんて不良にひっかかって
「
「O高? 私立じゃないか。なんで
「なんでって…… なんでだろ? なんとなく……」
高橋の家の豆腐屋の収入では、私立高の学費なんぞとてもまかなえたもんじゃない。それをどうにかするためには、奨学金をうけて入学する他はなく
理由もわからない恐怖感に追いつめられてガリ勉を続けた彼は、ついに、倒れた。
「なんか手伝うことある?」
「それは社交辞令ですか?」
「多分ね。あたしに実際あんたの仕事が代行できるとは思えんもん」