「三日ほど、帰らないよ」
 岳人が言った。
 「まああなた。どうなさいましたの?」
 すこし古風な日本語をしゃべる、妻はベドウィンの血統をひいている。
 「授業で、うっかり英文に脱線しちまった。明日にはバレていると思う。」
 「……査問委員会?」
 「いや。そこまではいかないだろう。とりあえず自主反省ということで」
 妻は困惑し、不安をあらわにして夫にとりすがった。
 「出ましょうあなた。日本を出ましょう。まだ、安全なくには、いくらか残っているわ」
 「砂漠には還れない。それに……」
 苦悩するように夫は言った。
 「いまとなっては、もう 許可がおりないさ。不可能だ。知ってるかい、ぼくにはもう県境移動許可すらおりないんだよ」
 「まあ。」
 「それに、すくなくともこの市は、ほかの土地よりはいくらか  マシ。安全なはずなんだ。」
 「知っていますわあなた。風たちがおしえてくれますもの。ここは、盆地で、水が流れ、春あたたかく、冬さむく、……四季のめぐりがゆたかで、原野にちかく、山々にかこまれて……」
 昔人(むかしびと)たちが好んだ土地なのでしょう。かつて住んだ、昔人たちの情念が、結界をまもっている土地なのでしょう。」
 妻は、《白の一族》とよばれる、魔術師のうまれだった。
 
 (※善野盆地の鳥瞰図的イメージイラスト?あり。)
 
  
  むかしびと 縄文 情紋  

 
 
 

 Κ(カッパ)、Μ(ミュー)、Χ(カイ)、Ω(オメガ)
 
 ……朝日ヶ森 反戦基地 少年隊の 班長サイン
カッパの班は工作隊、ミュウは前哨エスパー部隊(元魔法派)
カイが総リーダーの多数派で、オメガ(おメガ)が科学技術を担当
 
 →数I, P294参照

(※ ……小学校のプリントの裏紙をメモ用紙に使っているので、
   「数I」というのは、中学1年の数学、だと思われます☆)

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