1. ハユンのアマラーサ。
2. ナズディアのヴラーン。
3. アリティア。
4. 精霊。
5. ハユンのアマラーサ。
『マラーサとその恋人×××。 <アグニスのトゥード。
ふたりの物語が古アトル・アンに地にひろまるのは、
これからのことである。』
『その頃、いまだ彼の地では、10人単位の人の動きを超える争いごとというのは存在しなかった。いくさというものは……すくなくとも表面的には……郷と郷を代表する戦士たちによる、双方の長老立ち会いの、一騎打ちに他ならなかったのである。』
☆ 叙人詩(ラグリナーサ) 英雄伝。
☆ 炎銀(ミスリル)の旅 …… リリィ・カタナ。
2. ナズディアのヴラーン。
3. アリティア。
4. 精霊。
5. ハユンのアマラーサ。
『マラーサとその恋人×××。 <アグニスのトゥード。
ふたりの物語が古アトル・アンに地にひろまるのは、
これからのことである。』
『その頃、いまだ彼の地では、10人単位の人の動きを超える争いごとというのは存在しなかった。いくさというものは……すくなくとも表面的には……郷と郷を代表する戦士たちによる、双方の長老立ち会いの、一騎打ちに他ならなかったのである。』
☆ 叙人詩(ラグリナーサ) 英雄伝。
☆ 炎銀(ミスリル)の旅 …… リリィ・カタナ。
プロローグ 〜 出立の光景
1. 樹海 〜 旅立の説明
2. ヤチダモ族と嵐
3. 隊商宿
冒 険 譚 − アウルア・ウルウィア・ウルワニス −
ハユンのアマラーサ
アグニスのトゥード
アザール・ノミケ(アザールと18人。)
イオリア、盗賊村
ジブの八脚虫
あたたかい/ぬるぬるのぺのぺした/泥の中で/ヤチダモ族は唄うよ。
(海にのまれる泥のくに)
ひとの越えない カリンシカ
ザグの村 セドの泉水
アトル・ウルワニ / あうるわ・アウルア
トカレス
センド・レーサ(児童戦士)の伝統
呪文(オラムニ)
中部亜熱帯地方と灼熱の北方。(地図)
ザクの村 泥の海 カリンシカ
古いコトバでミトラ(半身)というのがある。
+++++++++++++++++++++++
鳥が、ふぃーく、ふぃーく、と鳴く。
ここはザグの村だ。
夜明けだ。
カン高い声で、ふぃーく、ふぃーく、ふぃーくれく、と鳴く。
ザグの村は絶壁の腹にしがみつく、いくつもの洞窟の集落村だ。
半島の上から見下ろす、背なに当たる太陽の熱さ。ソイレカ島が一番光を告げる頃、村の前にあるわずかの傾斜地には白い靄が渦巻き、まだ蒼い薄闇と、白い靄とが踊る。
太陽の棲む熱い北の海からの潮流を遮る形で伸び出す《指の岬》。その西壁に張り付くようにして、剣聖ザグは彼の弟子たちのための修業の村を建てた。
ザグの村は戦士の村である。
明るさをまだ迎えない村の斜面を丈高い姿が歩いて行く。
すらりとした、女だ。
均整のとれた体格だ。
鳥の声に、上を向く。
黒い目に、長い黒髪の、けれどここらの者ではない、陽に灼けてはいるが白い肌をした人間だ。
鍛え抜かれた筋肉と同様、しっかりしたアゴの線の、いい表情をしている。
目的の洞窟の房の、窓の前に松明の灯ったままなのを見て、顔をしかめた。
足早に近付いていく。
「ウード!」
慌てたように振り向いた青年の、右目には、みごとな青アザが有った。
「……おまえか。」
憮然とした反応に、訪問者の声が笑いを含む。
「ひとの気配にも心づかんで、よるの夜明けに何をやっている。」
「見て、解らんか?」
「なるほど。」
手には薬壺と、包帯にする麻布を持っている。
「派手に、やられたな。」
「誰のおかげだ。おまえ、あいつらに何を言ったんだ?」
「……べつに。おまえ一人では心許ないから、付いて行くと。」
「……わぁ〜るかったな!」
「事実、剣で5本に3本、弓ではほとんど必ず、私に負けるだろうが。」
「ほっておけ! どうせおまえは《剣聖》様だよ!」
1. 樹海 〜 旅立の説明
3. 隊商宿
冒 険 譚 − アウルア・ウルウィア・ウルワニス −
ハユンのアマラーサ
アグニスのトゥード
アザール・ノミケ(アザールと18人。)
イオリア、盗賊村
ジブの八脚虫
あたたかい/ぬるぬるのぺのぺした/泥の中で/ヤチダモ族は唄うよ。
(海にのまれる泥のくに)
ひとの越えない カリンシカ
ザグの村 セドの泉水
アトル・ウルワニ / あうるわ・アウルア
トカレス
センド・レーサ(児童戦士)の伝統
呪文(オラムニ)
中部亜熱帯地方と灼熱の北方。(地図)
ザクの村 泥の海 カリンシカ
古いコトバでミトラ(半身)というのがある。
+++++++++++++++++++++++
鳥が、ふぃーく、ふぃーく、と鳴く。
ここはザグの村だ。
夜明けだ。
カン高い声で、ふぃーく、ふぃーく、ふぃーくれく、と鳴く。
ザグの村は絶壁の腹にしがみつく、いくつもの洞窟の集落村だ。
半島の上から見下ろす、背なに当たる太陽の熱さ。ソイレカ島が一番光を告げる頃、村の前にあるわずかの傾斜地には白い靄が渦巻き、まだ蒼い薄闇と、白い靄とが踊る。
太陽の棲む熱い北の海からの潮流を遮る形で伸び出す《指の岬》。その西壁に張り付くようにして、剣聖ザグは彼の弟子たちのための修業の村を建てた。
ザグの村は戦士の村である。
明るさをまだ迎えない村の斜面を丈高い姿が歩いて行く。
すらりとした、女だ。
均整のとれた体格だ。
鳥の声に、上を向く。
黒い目に、長い黒髪の、けれどここらの者ではない、陽に灼けてはいるが白い肌をした人間だ。
鍛え抜かれた筋肉と同様、しっかりしたアゴの線の、いい表情をしている。
目的の洞窟の房の、窓の前に松明の灯ったままなのを見て、顔をしかめた。
足早に近付いていく。
「ウード!」
慌てたように振り向いた青年の、右目には、みごとな青アザが有った。
「……おまえか。」
憮然とした反応に、訪問者の声が笑いを含む。
「ひとの気配にも心づかんで、よるの夜明けに何をやっている。」
「見て、解らんか?」
「なるほど。」
手には薬壺と、包帯にする麻布を持っている。
「派手に、やられたな。」
「誰のおかげだ。おまえ、あいつらに何を言ったんだ?」
「……べつに。おまえ一人では心許ないから、付いて行くと。」
「……わぁ〜るかったな!」
「事実、剣で5本に3本、弓ではほとんど必ず、私に負けるだろうが。」
「ほっておけ! どうせおまえは《剣聖》様だよ!」