ふつうの人間よりははるかにとしをとるのが遅いようだが、さすがにもう容色の衰えは隠せない。自分を利用してのしあがったかつての少年が、うとましがって消そうとするのも当然とは言えた。
ひとり分のスペースはトイレの個室より広いが、小さめのユニットバスより小さい。そのなかにカーテンで仕切る式の極限サイズのシャワーとトイレ、ソファ兼用の狭い寝棚と荷物置き場と洋服掛けに、机と電子端末と最低限の給茶設備に非常用の酸素タンクと発振器までがついていて、
☆ ライラは実はバイラであるが、影男は誰も知らない。(書かない)
☆ ライラは自首するつっといて逃げるが高飛びするが、
セラたちはしばらく気づかない。(書かない)
☆ 影男は出てこない(名前だけ/バイラの最高幹部として)
紫昏のライラ(ライラ・バイ・ライラ)
犯罪結社・“闇(バイラ)”
> ロベルガ語(ゲロン)
> へたすると公用語よりも通用範囲がひろい。
「回線70−5275」
と、キルが言った。
「なにが?」と、セラ。
「“紫昏のライラ”の捜査状況」
つまり、警察内部のコンピューターの回線コードである、と。その他にもむろん、署員のだれがしの
「盗むのくらい、わけないんだろ?」
その手の情報の操作に関して、セラにはしっかり前科がある、のをキルは知っている。
「ちょっと待て。それは非合法行為だって
「は!
と、鼻で笑われてセラは口をつぐむ。
「なーにをいまさら」
他人の認識番号使って偽名を名のるのは、合法なのか? と、問われてうううとうなるセラ。
「ちゃんと本人の了承は得たもん!」
「連邦の謄本資料を勝手に書きかえたよな? 紫昏のライラの行方、探すんだろ?」
がるるとうなって、セラは端末にとりついた。
連邦の「まじめな」構成員を自称し、非合法だの犯罪行為だのを「原則としては」せっせと否定している彼女が、今回の一連の旅にさいして自分から偽名を使うと言いだし、あえて手を汚して危ない端を渡る理由を、キルは知らない。出会ってからこれまでの4年間、半分はリスタルラーナで、半分はジーストで、同じような旅をしてきたが。いつでも本名で通し、「有名人」であるリスクもメリットも受けとめてきた。
数分と経たずに連邦警察の情報回線へ侵入を果たし、一連の資料をあたまに叩きこんで足跡も消して帰ってきたセラは、ニヤニヤしているキルにあかんべをして見せると、続けて別の回線にとりついた。
そして
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