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リスタルラーナ代表の一人、ケティア・サーク大使は、彼女の個室にと割り当てられた一室で、もう三度めほどの嘆息をついた。
目の前に置かれた受像機には、延々とあきもせず繰り返される、地球系星間国家連邦政府特殊総会議場の舌戦風景が映し出されている。
今年25歳の女性大使・ケティア・サークは、彼女らを派遣するや否やで自国リスタルラーナ星間国家連盟が会議に費やした時間と税金との事は、都合良く棚の最上段へ放り上げて、ひたすら地球政府の非迅速性に対する批判の言葉を探していた。
会議に慎重を要するのは解る。
なんとは言っても、両種族共に、始めて経験する、宇宙人との接触なのだ。全権大使ともなれば、相手国の会議中に、落ちついていられるわけはない。
→彼女は手元においた地球産のアルコール飲料を更にたてつづけて2〜3杯、おそろしいスピードで飲みほした。
実はもういい加減に酔っている。
派遣するや否や < 派遣するか否か
と、ジツアネによる校正?が入っているが……
姉! この時点(中学1〜2年)で既に、
作文(国語)と作画(デッサン)能力だけは、
私がアナタを抜いた後だったんだがねっ!! o( ̄^ ̄;)o
1.浜辺にて
開国以来5年、つまり、サキ五歳の初夏。
ちょうど11歳を迎えたサユリと、母のサエムと、母娘三人は
ごく穏やかに、岬へと向う海岸沿いの遊歩道を散策していた。
金色の木もれ日ごしに青い空、左手にはどこまでも続く白い
まぶしい砂浜。遠浅の海のエメラルド色。
三人が歩く遊歩道はちょうど浜の終りに沿っていて、やや
砂まじりの赤いひいやりした土の上、左に海、右手に美しい林を
たずさえて、どこまでも歩いてゆくのはなかなか満ちたりた心地
良さがあった。
岬の鼻へ出るまでは、サキもサキも大人しく母さまの手につながれて
いたのだけれど、