その、サキ。
サキ・ラン=アークタスという名で戸籍登録された少女は、ひとけのない自習室で最後の入力をすませようとしていた。
もと稿は、植物の繊維でできた、あまり厚さが均等ではない、
そこに
それを目で追って、ディスプレイのうえの指が、
翻訳のさいごの一行を打ちおえて、
……ほおずえを
カタリ、と2巻目のパックが少女の手におちた。
☆ここでセイ登場でもいい。
これらの概念は“神”や悪魔、宗教という単語とともに、リスタルラーナ文明にはすでにないものだった。
かたや地球には、統一後、4半世紀をこえるいまにいたっても、それらに類する能力をもつといわれる人々が、たしかにいる。
なるほど、地球の文化を理解するうえで、これらの研究はたしかに欠かせないものだろう。(
正確に知りたい、という要求は、ただ好奇心、探求心というものをこえる、より深い必要に根ざすものであるはずだ。…………
☆サエム夫人、16即位、18解散、20婚姻、
22出産、28サキ、35死亡、
「どう
かつて
「原典は、あったのだとおもいます。たとえそれが噂やらによって後代にどれほどゆがめられたにしても。」
現に、わたしの母は……」
「あなたは? サキ・ラン」
「……そうして、それに類する現象が……
あらわれはじめていると言ったら、どうします?
このリスタルラーナに。」
(リ)のコンピューター、“糸でんわ”操作にすること。
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