☆ 『紫昏の闇』あらすじ
 
 セラとキルが占術師ライラを探して惑星ワンゼルランを訪れると、目指す家には星間警察が乗り込み、当人は犯罪結社《闇》の一員であることが発覚して高飛びした後だった。(次の情報を仕入れるために)惑星“大鼻”まで行く必要があるが、祭連船団通過の為に定期便欠航となっており、四日間の休養としゃれこむべく、極冠観光に出向く。氷河横断ツアーで現地休暇中のオッペル刑事のグループと出会い、つい盗聴機を仕掛けるキル。警察内部の連絡から記念式典のカラクリを知った二人は、変装の用意を整えて急ぎ会場に潜りこんだ。

 このところ世間を騒がせている異星産の幻覚装置の密輸現場を押さえるべくリスタルラーナ大使の護衛と称してその側近たちを星間警察は張っている。式典の会場である船は密室。接触の機会はこの時かぎり。万全の体勢を整えて待つ彼らだが、正体不明の民間人(少女)二人が一足先に不用意に近づいたため《闇》一味に疑いをもたれ、船をパニックにまきこんで見事に逃げられてしまう。
 公職登録の原則に基づいて救助活動にあたるセラとキルだが、《闇》の一味と誤解されてアリニカ警部補に逮捕されてしまう。連邦警察の支部のある惑星《大鼻》まで連行される途中も舞の練習を怠らないセラ。事情聴取と身元照合を受けて強制送還  という時に、わずか三日で司法職資格試験に通ってしまうセラ。大使ムベラの口添えを得て強引に捜査に参加する。

 一方、取引きに失敗した形のライラは影男に失策を責められて危い立場になる。が、本人は気にせず、影男の安全のために《白を青の二連星》を封じることにする。
 捜査活動の途中で襲われ、セラを傷つけられて激怒するキル。が、暗殺者のなかにワンゼルラン極冠ツアーで見た顔を見つけ(写真的記憶)、警察側の情報が筒抜けだったことを知る。「覚悟はあるんだろうな」と本来の非合法活動に転じて《闇》の下部組織をしめあげ、幹部の一人を星警につき出した。
 
 惑星《久別》は民族自治区で星警の手も及ばず、しかも祭連船団が訪ずれて二ヶ月の立入り禁止となっている。ためらったあと、“蓮家の世良姫”の名前で惑星首長“草家の皆無拓”に会談を求めるセラ。特別に祭礼への参加が認められ、潜入する星警特殊部隊。セラとキルはいちはやく姿をくらまし、祭連船団の奥深く、紫昏のライラと会う。影男との確執を洩らし、自首を誓うライラ。裁判での援助を約束し、やれやれ、と息をつくセラとキルだった。
 
 
              了。

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