1. 国境の町。
 
 辺境惑星リネークーラは雨。
 「……あ〜あ、あ。」
 ようやっと雨やどりに手頃な場所をみつけて駆け込んできた彼女は大きなため息をついた。
 服もカバンも防水加工だから構わないけど問題なのは、髪。やたら長いのが面倒で高々とポニー・テールっぽく結わえておいたのが見事に裏目。水を含んで重いったらありゃしない。
 「携帯式乾燥器、貸そうか?」
 雨宿の先客が声をかけた。
 「ついでに暇つぶしのお茶の1杯くらいにもおつきあいいただけると嬉しいんだけどな。」
 籠っている幌(ほろ)のうしろは居酒屋。
 御注文はの到着をお待ち申し上げる間に個室を借りて、長い髪はすっかり復調したようだ。
 「わたし、サキ。お宅は?」
 「ソルデネーレ,ルイッカクセス。古めかしい名前だろ。」
 「る、ルイッくぁく……」
 「ルイッカクセス。」
 「地球人(テラズ)にはその発音は無理だよお。」
 「へ? キミ地球人!?」
 「そ。……見えないだろー。」
 少女は(
 
 
           (草稿未完).

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