『水の大陸』 〜ヤツィー族の伝承歌〜 III
2006年4月16日 連載 コメント (1)子らを庇って打擲されて、
泣き叫ぶ母をひきはがし、
マシな子種を仕込もうと、
父は無理矢理連れ去った。
母たる庇護をうしなって、
たちまち干上がる水の島。
母の残したなみだの沼に、
むらがり怯える水の子ら。
熱になぶられ風に曝され、
無力な命は外から消える。
飢えて乾いて塵に帰って、
狂って暴れて泣いても死。
きづいた時にはただ一人。
とり残されたるただ一人。
それが我らの始祖である。
我らの哀しい始祖である。
泣き叫ぶ母をひきはがし、
マシな子種を仕込もうと、
父は無理矢理連れ去った。
母たる庇護をうしなって、
たちまち干上がる水の島。
母の残したなみだの沼に、
むらがり怯える水の子ら。
熱になぶられ風に曝され、
無力な命は外から消える。
飢えて乾いて塵に帰って、
狂って暴れて泣いても死。
きづいた時にはただ一人。
とり残されたるただ一人。
それが我らの始祖である。
我らの哀しい始祖である。