子らを庇って打擲されて、
泣き叫ぶ母をひきはがし、
マシな子種を仕込もうと、
父は無理矢理連れ去った。
 
母たる庇護をうしなって、
たちまち干上がる水の島。
母の残したなみだの沼に、
むらがり怯える水の子ら。
 
熱になぶられ風に曝され、
無力な命は外から消える。
飢えて乾いて塵に帰って、
狂って暴れて泣いても死。
 
きづいた時にはただ一人。
とり残されたるただ一人。
それが我らの始祖である。
我らの哀しい始祖である。
 
 
 
 

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