(さらに言うなら、その妹に日本語の日常会話を教える職務をも兼ねていた高級取りの最初の家政婦を、“気に喰わない”という単純な理由で叩き出したのは好一の責任である。

 当初、日本式の台所の使い方がわからなかったユミコは家政婦のあとを付いてまわって、米の研ぎかた・味噌汁のダシの取り方からと教えて貰い、日本製の調理用具はアメリカのより小さくてオモチャのようだから、子供の自分には使いやすいと、喜んでいたが。

 女言葉の日本語を話す身近な人間がいなくなったという点を抜きにしても、いくら家事一般が趣味とは言え毎日の食事の支度をやらせているとなると、本人は文句ひとつなくこなしているとは言え、負担は大きいだろう。

 とは思うのだが、その後も二人の家政婦を、睨みつけて怖がらせたあげくに、退職させてしまった……)
 

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