サク。 サク。 サク。
最初に歩き出してから既に2〜3時間は過ぎ、辺りはすっかり暮れてしまった。
サク。 サク。 サク。
薄い競技用の靴を通して、踏みわける雪の冷たさが、じかに真里砂の足につたわって来た。更に4時間。5時間とたって、辺りはすっかり暮れてしまった。歩くたびに肩へ雪が降りかかる。
「下手に動くとかえって危なくなってきたね。」 鋭が言う。 「もう目印の木を見つけておくのも難しいよ。」
それに対して雄輝がまた何か冗談口を言い、真里砂は珍しくぼんやりとそれを聞き流しながら、自分でも何を考えているのか解らないなくなるような何事かを考えあぐねていた。
三人は幾度か野宿に 夏か、せめて春だったなら 良さそうな場所に巡り合っていたのだが、その度に激しくなる風雪が追いたてる。
「おい真里砂マーシャ! どうした? ぼんやりして」
わざと景気づけるような雄輝の口調に え?となって、真里砂は、はっと正気にかえった。
幅50cm程の、半ば干からびかけた自然の溝に危うく落ち込むところだったのだ。
「なんでもないわ
「さっき話してた、鳥人とかの事?」後ろの鋭から尋ねられて、あいまいに首肯する。
「ここがどこでおまえが何者なのかって事だろ」
つうかあに雄輝が言い当てて、真里砂の顔を少しく赤くさせた。怒ったように真里砂が答える。
「ええ。
「さあどうかな」と再び雄輝。
「おまえが何者かって事はさて置くとして、ここがどこかって言うのは
「さーあね〜え」 鋭は少々すねた声で返事をしてからしばらく黙っていた。
「地球上だと仮定すれば、気候からして僕らの居た朝日ヶ森より緯度か高度の高い場所で、さもなけりゃ単に時間がずれただけで、ここは朝日ヶ森のどこかなのかも知れないね。だけど真里砂が言う通り、
「通路」即座に雄輝が答え、鋭は世にも奇妙な顔をして「へ!?」と言った。「異世界
断定形で言われて、鋭は明らかに頭へ来てしまった。
「
「なにをっ 自分だってSF気違いだろうが!」
怒った雄輝がばっと振り向いて言い返したもので、三人の歩みはそれなり止まってしまった。
(大きくバッテンして没★(^^;)★)
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