「序章」 大地の国物語
     大地世界物語・皇女戦記編

 記憶の旅・序章


体育祭の二日前。
裏朝日から

大地世界
水球世界

 
 大地世界(ダレムアス)物語シリーズ 前書き
 
 「よーし、一応似て見える。」
 僕と背恰好の似た奴が、鏡と僕の顔とを見比べながら最後に言った。「眼鏡は?」と僕。まったく見事なものだった。
「それはない方がいいんだ。全部同じにしちゃうとかえって細かい違いがバレやすくなるものなんだ。から、かけてなきゃ、あ、ふん囲気違うのはメガネないせいかな、って思われるだろ?」
 「  ああ。」僕は肯いて、それから周囲の部屋の中を見回した。そこは二階で、三方の窓に一人づつ、用心深く外の気配をうかがっていた。
 この連中のリーダーらしい、僕に変装
 それから、僕に化けた奴のそばに座って変装の手伝いをしていた女の子  どうもこの娘(こ)こいうつはとっかで見事がある誰かに似ている  ような気がする。)と、その時はばくぜんと感じただけだったけれど。
みんな僕と同じ年頃小学校5・6年か、せいぜい2つ3つしか違いそうになかったくせに、なんて落ち着いて頼もしく見えた事だろう。波の大人なんかより余程頼りがいがありそうだ。それから僕は、ずっと気にかかっていた事をきいた。
 「だけど君は  君は僕と入れ変わってどうするんだい? 危険などころか、命の保証だってないよ。」
 そりゃ、あの場合、僕と僕の荷物の安全が第一だって事を、解ってるけどさ。はいたんだけど。
「大丈夫、彼は上手くやるわ。鋭は心配しなくて良いのよ。」
 手伝っていた女の子の方が、チラッと男の子と見かわしながら言ったので、僕は一応彼らを信用して納得する事にした。かの女が、一目で人を安心させてしまうようなきれいな笑い方をしたからだ。  あれ、なんでこの子、僕の名前を知ってたんだろう? 僕は思ったね。
僕が少しばかり驚いているのをそれを見抜いたような顔で、いかにも気の強そうなななめわけのオカッパ頭のその子がウインクした。
  違うや。僕がこの子に見覚えがあるような気がしたのは、この子に会った事があるからじゃあ、ない。多分、僕の大好きだった誰かしらに顔の形が似てるって、だけなんだ。
  よ、来たぞ……」
僕がちょっと、僕がその誰かしらを、誰だったっけと考えている内に、丁度その時、窓にへばりついていた一人が押し殺した声で言った。
 「どっち……?」おかっぱの女の子が素速くそちらへ立って行きながら問い返す。

(☆「おかっぱ頭の女の子」のボールペン描きのイラストあり☆)

 「にせ緑じゃない、おじ様たちベンツ車      だ。」
 「よっしゃOK! おっかないおあにいさん方が来る前に、“にせ清峰”君、A計画発動」
 一応一行のリードとってたらしい赤っ毛そばかすの奴が、僕に化けた男の子の方に向ってGOサインを出した。
 「all right! マーシャ、有澄夫妻に何か伝言は?」
 「そうね、パパにお仕事がんばってって、それからママに、明後日の体育祭の時、もし来られるようならお稲荷さん3人分お願いします、って、言ってくれる?」
 「わかった。行って来まーす」
 「気をつけてねろよ! 純人!」
 ポーチの方で二言三言しゃべっている声がして、車は直ぐに走り去って行った。ひええ、じゃ、この子、有澄夫妻の子供だったわけ? それにしちゃどっちにも似てないや。隔世遺伝か何かなのかな。と、まさか養女だとは思わなかった僕は、マーシャと呼ばれたくだんのオカッパが有澄夫妻の子供と聞いて、まったく似ていないのにキョトンとしていたものだ。
 「なにをボヤッとしてんだ、
 「ボヤボヤしない、置いて行くぞ!」さっき有澄氏の事を“おじさま”と呼んでた奴がどなる。
 別に僕の動作が鈍かったわけじゃなかった。連中の方でそれこそあっという間に姿を消してしまったのだ  しかも鏡の向う側に。どうやら隠し扉になっていたらしいんだけど、その一年半というものおどろおどろしいホラーS・Fの世界S・Fスパイ小説ハードボイルドを地でやっていた僕としては、もういい加減忍者屋敷くらいではの事では驚く気力も起きなかった。のを覚えている。
 2つ3つの扉を横目でながめながら薄暗い階段をどんどん降りて、最後の扉で地下室らしい所に出る。そこからまたも別の地下道に入って行って、ずんずん走、
 どうやら僕は、今度はホームズやらルパンやらの世界に迷い込んじゃったみだいた。どう考えても、ここ、ごく平和な高級住宅街の中だと思うんだけど。
 「このあたりはね、もともと  藩の出城のあった所なの。」
 僕があきれているのに気がついたのか、隣を走っていた、
 「君、あの、  有澄、さん? ここ、君ん家?」
 「真里砂よ。マーシャでいいわ。」

 
 僕、こと清峰(きよみね)鋭(えい)が初めてマーシャという女の子に出会ったのは  実は初めてなんかではなかったのだが  こんな風に、えらく素っとん狂な、現実離れした状況の中でだった。
事の起りは僕にIQがその当時でさえ225もあった事、そして今も変わらぬ科学気違いだった事。にあるのだろう。多分。だけどその話を詳しくしてその事はそれだけで本一冊分に余る話になるし、僕がこれから書こうとしているのは僕自身の事ではない。マーシャの物語話、マーシャの国、大地世界(ダレムアス)の一時期に僕らと共に生きていたとその時代そこに生きていた暮らしていた人々の物語だ。これはずい分と長い話になると思う。それと、言うのも、僕はその当時知らなかったものや事や理解できなかったもの、更には話の本筋には直接関わって来ない、故事や神話の類いにまで筆をおよぼす気でいるのだから。
 
 
(未完。大学ノートにボールペン書き、直しの嵐の、おそらく第一稿。そして多分、「数学の授業中に」書いていたという気がするな………………(^◇^;)>”)
 
                .

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索