テラザニアの斎姫連(さいきれん)
 
                   土岐 真扉(とき・まさと)
 
 
     第一章・惑星《最涯(ワンゼルラン)》 その二
 
          ☆
 
 「……殴ったりして悪かった」
 相棒のほおにくっきりのこる指のかたちのアザを認めてしかたなくレイはつぶやいた。半日が経過してなおこの状態ということは、さぞ痛かったにちがいない。
 「……なおすぞ」
 そう宣言して手をのばす。気波使(きはつかい)にしか視えない蒼光がすぅとひらめいて、傷は癒えた。
 「たすかったよ、ありがとう。これで人様を訪問するのはちょっと問題があるものね」
 にっこり笑って腕力をふるった当人に礼をいう、少女の神経はレイには不明だ。
 「このくらい自分で治せるだろうが。やりかたは教えてやったぞ」
 「いやぁ、やっぱり、責任はとっていただかないと?」
 「あんたなぁ……★っ」
 見せつけるためだけにわざわざ治療はせずにおいたと、言われたほうはがっくり疲れはてた。
 こいつには、てめえの美貌の自覚はないのかっ!
 毎朝の洗顔のあとで鏡を点検するかどうかも疑わしい無頓着(むとんちゃく)な天才少女は、絶句する面喰いの反応を読み違えたのか底意地の悪い笑顔をうかべて見せて、さっさと歩いていった。
 ここは砂漠の宙港都市。その人工緑地(オアシス)のなかである。
 「どっちがいい?」
 木立に隠れるような半地下にしつらえた石造の休息所で、飲料の缶をふたつ手にして戻ってきた少女は、すぃと流れるような動作ではすむかいに腰をおろして訊ねる。
 「どっちたって……これ、なんなんだ?」
 
         (???続きのデータが無いっ!! (T_T)” )
 
               .  

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