地球統和紀元41年、つまり新紀元  宇宙暦  1年に、ここに居合わせているケイ(ケイト・エレンヌ)の両親で、まだ未婚だったケティア・サーク、カート・エレンヌ両大使が、友好通商及び全面的な文化交流をも含んだリスタルラーナ=地球間完全平和条約を取りつけてから、はや13年たつ。
新しい宇宙時代の黎明期を迎えて、リスタルラーナ星間国家連合と地球連邦政府とは、従来の10パーセク内外という守備範囲を一挙に越え、互いに結びつかんとして空漠とした宇宙空間へ着々と植民の腕を伸ばしつつあった。
エネルギー源の絶対的不足を訴え続けて来たリスタルラーナの、進んだ技術に、若い国地球が結びついて初めて成し得る好挙である。
 (わたしは宇宙時代の一番最初の人間だ)
サキはごく幼ない頃から自分の誕生日を誇りに感じて来た。
つまり、14年前のその日、4月3日に、宇宙人“襲来”の最初の誤報にショックを受けた病弱なサキの母は、その記念すべき日のうちに7ヶ月目だったサキを早産したのだ。
その母も無理なお産から回復せずに6年後サキの初等課入学に安心したかのように息をひきとり、その後サキは殆ど6つ歳上の姉サユリに育てられた。
 誕生の際、「母子ともに危険」だと宣告された難産から無事サキを救い出してくれたのは、女性大使ケティア・サークのとっさの最良でまわされて来た、リスタルラーナの宇宙船医だった。
その話を繰り返し聞かされて育った少女が、いつかリスタルラーナへ行ってみたいと憧れるようになるのも、まあ当然と言えば言えるかも知れない。
当時はまだエネルギー源の問題から、地球−リスタルラーナ間の定期航路は最低でも丸二年はかかると言われていた。
 したがって有資格者以外の一般人の渡航はまだまだ難しく、ましてや初等課2年の児童に許可がおりる可能性など、万に一つもなかったのである。
が、宇宙暦8年に公表された“二国家間交換留学生団募集要項”が、憧れを実現可能な夢に変えた。
幼児教育課程において既に一年飛び級(※)をしていたサキは、両親から譲られたIQの高さをフル活用してなんとかかんとかもう一年をかせぎだし、浮いた一年を徹底した受験準備に費した。
(※) サキの場合、4歳時に幼育課2・3年の進級試験を同時に受け、両方ともうかったので、2年の課程はとらずに3年へ上った。ただし誕生日が微妙なので当人はそのことをすっかり忘れていた。

そして留学メンバー選考を一手にまかされ、地球系最高の水準を誇っている教育機関アロウ・スクールを経て、なんとかかんとかギリギリの成績で留学資格を手に入れてしまったのである。
留学先は、地球−リスタルラーナ定期航路のまっただ中。
両系の親密な発展と繁栄を祈って、どちら側からも一年行程という空間にわざわざリスタルラーナ本星から移転して来た、リスタルラーナ系の最高教育機関S.S.S.(スリーエス)(スリナエロス・ソロン・スレルナン)(と、地球学生から憧れと尊敬をもって呼ばれている)科学部門だった。
 が、サキは留学後半年、12歳の時にそのS.S.S.(スリーエス)からソレル女史のもとに引きとられている。
事情があって、そこにいることができなくなったのである。
以来2年半。
2星系屈指の女性科学者ソレル女史が秘密裡に運営しているESP研究所、可動性宇宙基地(ベース)エスパッション号で、高等教育とESP能力の訓練を受けながら、表向きはソレル女史の側近兼ボディガード(!?)として、サキは現在けっこう優雅な毎日を送っている。
そして……
 
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☆ 大使が条約を取り付けたって表現はどんなもんかね。大使1人の力じゃないだろうに Sep.20<by例によって姉★( ̄^ ̄;)★
……う〜るせぇっ★ 2歳も下の人間の学力にイチイチ難癖つけて「偉ぶりたがる」テメェのほーが、よっぽど大人げも教養も無いわっ!! ★( ̄^ ̄;)★ 

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