その日、後に“地球の目覚めの日”と呼ばれることになる四月三日。
地球と、月を始めとする十一の太陽系内開発都市、および七つの系外開発惑星の路上には人っ子一人見当りませんでした。
時に地球平和歴五十三年。
最終戦争後何百年にも渡った無政府状態に終止符が打たれてから半世紀が過ぎ、新しい地球統合政府による計画的で安定した政治は人々に輝やかしい未来を約束していました。
そう、万事が“計画”に基づいて順調に進められていたのです。
地球統一者リースマリアルの後、歴代の連邦総長が全力をそそいだのは、いかに予定どうり“計画”を実行するかということでした。
ところが、突如、“計画”を計算する際に予測されなかった一大事件が持ちあがったのです。
そう。一ダースにものぼる恒星系に足をのばした地球人たちが今だにその気配さえ感じとれず、若者や子供らの夢の中にしまわれたままだった
彼らが現れたことによって予想、いや計画されていた地球人類の未来像が大きく変わることになったのです。
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