三、中央委員長フォーラ
 
 フォーラは、地球留学生歓迎のために広い集会室に並んだ生徒たちの中央に、ひどい頭痛を抑えながら立っていた。
中央委員長として留学生歓迎の準備の指揮をしてきた彼女はここ数日間ろくに寝ておらず、そのためにちう30分前にも貧血を起して倒れたばかりだった。
 にもかかわらず彼女は強制覚醒剤を服用してでてきたのだ。
実際、歴代のただの中央委員長たちならいざしらず、フォレル第三百五十二代委員長の出席しない重要式典などとても考えられない。
 フォーラの後見人であり、先程気を失った彼女を医療セクションまで運んで行った星間屈指の女性科学者マリア・ソレル女史も、親友のティリーと共に医師(ドク)の注意を無視して起き出してきたフォーラを見つけると、まだ顔色も青いままなのに、と思ったが、無理に休ませることはしなかった。
 それにしてもフォーラの頭痛はまったくひどいもので、フォーラは、彼女を心配してそばにピッタリとついているティリーにまで頭のガンガンいう音が聞こえるのではないか……と、混乱した頭で考えるともなく思っていた。
 
             (未完)

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