1ヶ月が過ぎて、生徒たちが不慣れな宇宙船生活にようやく順応し始めた頃
開票結果、1位、生徒会長
「うっそお〜〜〜っ!!」
それが知らされた時、サキはひどくすっとんきょうな声を出した。
「あたしまだ1年だよ!」
次点だった、2級上のセイ・ハヤミも、あ然としてつぶやいた。
「
実のところ、セイは自分こそ次期会長であると期待していたのだが。
体が小さくて実際年齢よりはるかに子供っぽく見える可愛らしいサキと、『生徒会長』というちぐはぐなイメージをつなぎあわせようとして、ついにこらえきれずに吹き出してしまった。
「アーハッハッハ! ヒッヒッヒィ!」
つられて、まわりじゅうが笑いだした。
驚いたのと、笑われて頭にきたのとで、半泣きになって、ふくれているのは、当のサキだけである。
普段面倒見の良いヘレナまでが、お腹(なか)をかけて笑いころげていた。
と、皆がひととおり笑い終えたあとで、サキは気をとりなおして聞いた。
「他にはなにをだれがやるの?」
留学途上の宇宙船ファーツアロウ船内では、ほとんどの生徒がサキたちのいたアロウ・スクールから来ているので、生徒会のしくみもほとんど同じである。
生徒会長と寄宿舎の自治委員長、及び各種委員会の委員長は生徒全体の投票で選出され、構成委員は各クラスごと。
副や書記・会計などや
開票場から素速く情報を集めてきていたマーミドが、写しをとりだして次々と名前を読みあげ始めた。
「生徒会長: サキ・ラン(女)、1−A,11歳。
舎監生最高責任者: アリマ・スン(男)、実技課一年、15歳。
図書管理委員長: ロージェ・マーリ(女)、3−B、16歳。
教課委員長: キール・カース(男)、2−A、13歳。
生活委員長: ヘレナ・ストール(女)、3−B、14歳。
……そしてわたくし、マーメイド・ブルー(女)、生徒会新聞部長。1−A、13歳。……なにかご質問はァ?」
「……あら、わたし困るわ」
言いだしたのはヘレナだった。
生活委員の方をやると、サキの方の補佐ができなくなるというのだ。かといって、これは私情から辞退したりするわけにはいかない。
年少のサキを盛りたてて生徒会をうまく運営していくことのできそうな人間は、そうザラにいるわけでもないのである。
皆が思案投げ首、考えこんだところで、しまいにセイが言った。
「おれがやってもいいぜ。」
かくしてファーツアロウ生徒会が発足した。
そして1年……
マーメイド・フィン
マーメイド・ルカ
マーメイド・ホワイティ
……って、あぁた、『トリトン』の影響なの
バレバレのネーミングですがな…… ☆(^◇^;)☆
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