鋭ほか『朝日ヶ森』およびアロウ系の数名が、お得意の隠密行動で情報を収集した結果、遺伝子や文化・文明・言語のパターンに、かなりというよりは必然以上の一致点を発見しまくった結果
この時、無用な摩擦を避ける為に、一般市民に対しては本人たちにも記憶操作を施して、それが事実だと思いこませたので、その後の数百年を経て正式に地球文明圏との国交樹立を巡る問題が政治上の重要な争点となった頃には、実は自分の曾祖父(ひいじいさん)は地球人で……なんて事を知っている人間は一人もいなかった。
が、血筋はやっぱり争えないのか、美天地人(リスタルラーノ)にしては喧嘩っぱやいと言うか感情的で、理屈ぬきの勘と行動力を備えている親テラズ派の連中は、たいがい地球系の遺伝子を多めに持っている……★
居所と名前と経歴を点々と変えつつ、地球系移民のその後の生活をさりげなくフォローしてやりつつサンタクロースな気分ではあるがけっこう孤独をかこっていた清峰 鋭 は、地球圏との国交樹立を裏から密かに支援はしていたが、原則として政治向きの事には手も顔も出さないように気をつけていた。
が、サキ・ランという有名人が“芸術系の交換留学生”として活躍しはじめ、地球圏の最終戦争伝説についての再現映画を撮影する……とかいう企画を耳にするに及んで自制心を蹴り飛ばし、
そのついでに、サキたちの副業?やら何やらにも巻き込まれ、政治的暗殺未遂事件(ソレル女史が殺されかけた騒ぎ)だの、麻薬密輸団取締事件(『黄金指輪の物語』)だの、両文明圏における気波技術者(エスパッショノン)の社会的立場の確立運動などにも、期せずして一役買っている。
対アンガヴァス戦役と続くジースト革命、国交の樹立と安定を経て、エスパッション・スクールの創立後、以後の運営には心配なしと見たサキ及びレイが、リステラス特務部隊員として深宇宙探査の船に乗り込んだ時には、コネを使ってちゃっかり同行している。
対《邪魔》(ジャマー)戦でサキやレイなど数名が落命した際に一緒に行方不明になり「生存は絶望」と記録には残されているが、実はこの時、サキら気派技術者(エスパッショニスト)とのみ接触をとり、共に作戦行動をとっていた“遍在文明”(オーヴァー・ビーイング)からの“ガス漏れ修理員”(もしくは水道管破損箇所点検人とか……そういうニュアンス★)たちに拾ってもらって、上級文明圏に遊びに行ったのだった。
そこで多脳人類だの無移動存在だの無形遍在だのという、よく判らない連中とお友達になりかけるが、やっぱり途中で退屈?してしまい「次元落ち」して、タコだのアメーバ型だのいわゆる“普通の異星人”文明をあっちこっち漫遊?した後、結局ホームシックになって、その当時“リズヴェッサ(遺伝子管理機構)体制”を名乗って破竹の勢いしていたリステラス星圏に帰還した。
この頃になると、数万年・数十万年を旅に生きているヘンな存在も自分だけではないと判り、期せずして幾度も再会してしまう顔見知り?や、転生しても覚えていてくれる友人?も増えて開き直っているので、もはや通常の“人類”とは言い難いメンタリティ……に、なりそうでなっていないのが、この人の不思議なトコロ。
幾つかの短い旅を経て、未開惑星の神聖王として奉り上げられたりしていたらしいが、かつて皇女マーライシャであった転生体の少女の養育を任された経験(誰にかと言えば、多分またぞろ、戦士・黒百合のおねーさまだろう……この人もほんとに長生き★)を経て、自らの旅の終わりが近づきつつある事を知る。
永遠不変のように思われていたリズヴェッサ体制が、一部指導者層の辺境星域への理由なき?亡命という裏切り行為によって内部から崩壊した後、銀河系の混迷と衰退のながい黄昏の時代の中で、かつて《地球》と呼ばれていた小さな惑星が、素朴な農業王国として再建され、そしてまたその支配者や所有企業が転々と変わり、戦乱と政争に巻き込まれ、恒星の寿命が短化されて不毛な岩漠惑星となった。
恒星の爆発と超新星化によって惑星群が消滅するまでのカウントダウンが始められた頃、すでに通常の人類ならば生存不可能な状態と化している地表に個人用宇宙艇で降り立った清峰 鋭 は、そこでやはり地球と命運を共にするべく……と言うよりは、彼ならおそらくそうするだろうので、そこで待っていれば同行できるだろう……という推測と期待に基づいて降下してきた、かつての妻・律子の転生記憶をもつ少女と再会を果たした。
その地表に停泊させた宇宙艇の中での静かで穏やかな共同生活の間、清峰 鋭 と、かつて律子であり幾度かの転生記憶を持つ少女は、互いの記憶や知識を突き合わせつつ、知る限りの喧々と史実とをたわむれに書き留め、書き残すことにした。超新星の爆発に呑まれてなお、その記録が誰かの手に渡る事がもしあるならば、それもまた宇宙の“波”の一つであろうという事で……
いよいよの爆発が予告されたその日、惑星の死に立ち会うために訪れた地球にゆかりのある他の長寿人たちとは通信で別れを交わし、結局、彼らからの要望に従って書き残した史料を譲り渡した後に、二人は泰然として静かな眠りに就いた。
小型宇宙艇に備えつけの普及型生命維持カプセルが、超新星の爆発に呑まれた惑星の上において、その目的とする機能を果たし得るかは、はなはだ疑問である。そうではあるが、なおかつ、この特殊な歴史を歩んだ惑星の上で育まれた様々な想念や、その結晶化し特化した存在である精霊たちの残党が、二人の肉体(うつわ)をそのままの形で護ったのではないか……と、書き残された史料を解読・研究しようとする愛読者の中からは、一種の信仰とも呼べる仮説(伝説?)が生まれ、宝探しにも似た感覚でカプセルを探索する者がその後しばらくの時代にわたって散発していた。
また、人間の魂(記憶?)の中に転生・再生するものもあるという実証に基づき、彼らのその後の生命形態を予測・捜索する懸賞金のプロジェクトなども一部マニアックの間で続けられていた。
……そして星々はめぐり、歴史は流転する……
(うぁー、なんつー長い話だっ★)
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コメント
……はい、お疲れサマでした……☆
ていうか、「わたしが」疲れました……☆ (^◇^;)”
実を言えば、「地球最終戦争伝説」の、
特にその内の「俺と好」(旧題)には、
既発表(※同人サークル主催他時代の、
ルーズリーフ原稿用紙の直筆(手書き)
回覧形式で※)原稿が、ファイル数冊
(いわゆる「エンタメ系」の文庫換算で、
少なくとも6巻分以上?)の没原稿が、
現存しているのですが……A^−^;)”
さすがにソレ、ブログ形式でアップするのって……どーよ?
というか打つ(入力する)のも、根性が要り過ぎるので……
またの機会(あるのか?)に、譲りますね…… (^◇^;)>”
ってことで、ひとまず「ハルマゲドン編」終了!!
12月1日付けからは、新章(地球文明復活編)突入です♪
!(^^)!
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