悲歌(ひいか)  エレジー  
 
 彼女は銃を構えて言った。
「やっぱり……こうなってしまった、のね。」
「予測はしていた  そうだろう?」
「えぇ。あなたも、ね?」
「ふふ……。」
 赤いバラが7本、>窓際に飾られている。ゆかりはわずかにためらい、そして静かに背後の壁にもたれた。
「あなたがいなくなってしまったら、あたくしは誰を、敵として闘えばいいというのかしら。」
「すぐにいくらでも敵はできるさ。きみになら、」
「そうね。  でもあたくしの最大最高の好敵手はあなたひとり。
 さよなら。」
 
 
 
 
 さよなら
 つぶやいて、彼女はひきがねを引いた。
 

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