彼らの間を結んでいる精神的きずなに最も近い間柄を求めるとすればそれは《姉弟たち》という言葉であっただろう。彼らはかつて4人おり、今では残るものは2人になっていた。始源の世にあってリーシェンソルトとマライアヌと呼ばれていた、2柱の女神たちである。はるかに年長である姉・リースは妹を確かな信念から教導し、女神マリアンは師でもあるその相手を深く敬愛し、敬慕していた。
彼ら4姉弟が 女神リーシェンソルト、男神グアヒギルグ、女神マライアヌ、男神ティアスラアル、の4柱が 2女神に減じるまでには長い複雑な経緯がある。とまれ、現時点で彼女たちは隣りあう次元に位置する銘々の世界を持ち、それを管理するという仕事を持っていた。しかし決してそれは容易なものではなく……なんとなれば2つの世界の住民・人間たちは悲常にやはらかな未熟な精神の持ち主であり、しかもひとつの巨大な力、《樹》という言葉に象徴される存在の思念波の影響をうけつつあったのである。
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