「それじゃ、お願いね!」
 洗いものを片づけた手ですばやく頭巾とエプロンをはずし、玄関のわきで姿見をあらためながら彼女は云った。
 五人もの子供を育てたとはとても思えない若々しい細身で、ながい指が器用に、腰まである金褐色の巻き毛をくるくると編み込みにしていく。
 ココアクリームの色の肌。……母は、異国の女性(ひと)だ。
 「all right。そっちも頑張って」
 自家製ライ麦パンを消化しながら手をふると、飛び出していく寸前に、くるりとふりむいた。
 「もちろんよ!」
 笑う。彼女は今日から出勤だ。子育ての終ったこの時期に、適職が見つかって嬉しくないはずがない。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 「さて、と……」
 いつも通り、きっちり清潔に片付けられた窓の広い台所をみまわし、おれは自分の皿をシンクの洗いおけに沈めた。
父はとうに出掛けたあとである。
問題が、あとひとり残っていた。

 
 
 
 

どこまで外国問題>現代日本のふつーの感覚に準じる。
「大野の特徴」入れるの?>(のどかで人なつこい地方都市)


○ 暮らしていくことの幸福の証明。


 
 ○ ママ・マリ出掛ける。
 ○ 台所
 ○ 引っ越し
 ○ 父はとうに出掛けた
 ○ あとひとり問題が

 ○ うちの兄弟全員がおれを含めて重度のマザコンなのは
   ママ・マリが本当にすごい女性なのだから仕方がない
   として、それにしても末っ子の清は……

 

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