マーライシャ皇女の婚約者である西(モルナス)の王子クアロスは、
ある日 ボルドムの一隊との小競り合いで危うい目にあって、マイ
と名乗る地球人に救われた。
腕を見込まれて城へ同行したマイは数年の間クアロスの片腕として
(西方(モルナス)皇に、)仕えていたが、ある日不意に
"一仕事片付け" に行ったきり長いこと戻らなかった。

     クアロスは国を動かし
     ネイマスは作戦をたて
     そしてマデイルが
     道を切りひらくことに なるだろう。

 マデイルが皇女を送って国を出てから、雄輝たち一行に合流するまでに間がひらいたので、その間にクアロスがかなり近くまで来ていた。 

「王家の世つぎに気ままな恋は許されないわ。まして女神の直系であればなおのこと。平和な時であってさえ、一生かけて共に国を支えていくことのできる相手でなければ結婚を許されないのに、この動乱の時代に自由な恋などしてはいけないのよ……。」

「マーシャの婚約者だというのは本当か?」
「知らなかったのか。当然いとこ殿から聞いていると思っていたが……」
「マーシャを愛しているのか。」
「正直言って50年前に一枚の絵姿をもらった以外、ついこのあいだまで一面識もなしに過ごして来た。
 だが幼ない頃から わたしの一生の相手はこの少女だと教えられて、朝に夕に絵姿ばかり見て育った。いつかわたしは眠られない夜などに少女が大人になった姿を……声や性格や、ちょっとしたしぐさまで 想像するようになった。
 それはそのまま、わたしの理想、憧れの女性だった。
 ……恋を許されなかった少年時代、わたしは孤独に悩まされるたびに、その姫に会える日を思って耐えた。
それも、その後の皇女の行方不明で希望のない夢となり、人を恋する気持ちを無理に押さえ込んでいるうちにわたしは人から冷たい男と言われるようになってしまった…………。
……モルナスの宮殿の奥深くで始めて皇女を見た瞬間
子供の頃の夢がそのまま目の前に現われたのかと、あまりの
まぶしさに 目もくらむ思いだった。」
 
 
 
 
(☆皇子クアロスと雄輝が窓辺で対峙するシーンの
  イラストがあるのですが、……以下略……(笑)。

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