『 ダ レ ム ア ス 』 (@小学校4〜5年?)
2006年7月8日 連載(2周目・大地世界物語)その日は朝からとても良い天気だった。
6月の中ば、真里砂のいる白百合学園は運動会のまっ最中。
ダーン!! 中等部1年のしょう害物競争がスタートした。
真里砂はぐんぐんとスピードを上げ、回りの者をおいこし、次々になんかんをくぐりぬけて行った。
最後の飛びばこは、よじのぼるための物で、12だんもあったが、真里砂はものともせずに飛びこした。
そのしゅん間、観客は底しれぬ恐ふにおそわれた。
突如あいた黒い穴に彼女がすいこまれてしまったのである。
ピストル係の少年……中等2年で、真里砂と同じ童話クラブの雄輝と言う少年……が、かけつけた時はすでに穴はしまりかけていた。
雄輝は決然としてその穴に飛び込んだ。
穴の中は暗黒のやみでどこまでもはてしなく広がっていた。
気がつくと雄輝は、気を失なって横たわった
真里砂のとなりに立っていた。
そこは、森の中の小さな空地で、小島のの声だけしか気こえなかった。
突如、かたわらの切りかぶが横に
中から女の人が表われた。
その人は、雄輝を見ると、少しおどろいたようだったが、真里砂をだきあげると、雄輝についてくるよう合図した。
雄輝は、その人が なにか不思議ないんしょうをあたえるのには気づいていたが、それがなにかはわからなかった。
しかし、それ以外の方法もなかったので、
その人のあとについて、せまい通路をおりていった。
長いかいだんをおりるうちに、雄輝は
女の人の長いかみの間から、ウサギのような、
白い耳が つきだしているのに気がついた。
2人は無言のまま下へ下へとおりて行った。
「起きろよ、真里砂! いったいどうしたんだ?」
……ここはどこだろう?
すぐそばから
真里砂は、ふっと 目を覚ました。
あたりは暗く、うすいカーテンごしに淡い光がさしこんでくる。
< カーテン? 私のベッドにカーテンなんてないはずだわ。>
そう言えば 話し声も聞きなれた母さんたちの声ではなかった。
真里砂は起きあがってカーテンを開けた。
「あ! 王女様、まだ起きてはいけませんわ。」
「ヤア、真里砂、気がついたか」
二つの声が同時に起こった。
そこにいたのは、なんとも奇妙な人たちだった。
1人は真里砂の友達
あとの2人 ……二匹?…… は、
体じゅうが白い やわらかい 毛におおわれ
けれども その婦人たちのもっとも大きな特長は、うさぎのような……と、言うよりは、うさぎそのものの……耳にあった。
真里砂はキョトンとしてうさぎ人をみつめていた。
それから、くるりとふりむくとかたわらにいる雄輝に話しかけた。
「ねえ雄輝、これは本当に起きた事なの?
それとも空想のつづき?」
「ドン・ラムス(※)に うさぎはいなかったと思うね。王女様?」雄輝が笑って答え
年上の方の
「夢でも空想でもありませんわ、王女様。
気分がよくなられたのなら早く旅のしたくをして下さいな。」
「王女様? 旅? 何がなんだかさっぱりわからないわ。
説明してくれない?」
そこでうさぎ人は話し始めた。
「私たちもくわしい事はしらないのですが、
知っている事は全てお話しましょう。
…………うさぎ人、スノウの話……………………
「
私たちの国 ダレムアス
そして、その危機 を 乗りこえるために、
送ったのです。
「その王女と言うのが私なのね?」と、真里砂がたずねた。
「ええ、そうです。マーシャ様。あなたは
『地球人(ティクト)』
今、長老の力によって ダレムアスへもどって来たのです。
カサール王もメフィラ女王も今は亡き方ですが、
兄上であるヤスカ王子様は
いますし、長老も
ですから、ボルドム軍をもとの世界へ追いもどす事も
けっして夢では
言葉を切った うさぎ人(びと)……スノウと言う名前だった。…………
は 深いため息をついた。
若い
(※ドン・ラムス − 真里砂と雄輝の空想物語の中の国)
コメント