いのなかみをすべてはきもどしてたべさせた。
いのちがけでおしてひいてさいごの母の涙へ。
おおいかぶさり天のにくい光の矢から守ろう。
このめすだけはじぶんよりはやくは死ぬなと。
 
めすはいのちをふきかえし、
ひびわれたこえで細く言う。
このかゆは姉者の味がする。
このみずは兄者の味がする。
 
 
 
 

やがてようよう母が戻った。
なぶるに飽いた父の元から、
はらんだ腹で逃げて戻った。
そしてみつけるわが子の姿。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

月みちて水の初子の弟らも生まれ、
月みちて水の初子の子らも生まれた。
水の初子の雄はみずからを恥じて死に、
水の初子の雌も子らを遺して後を追う。
 
 
 
 
 
 

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