女神も己が命数を分け与え、
大地の真芯で眠りについた。
女神の娘が統治を引き継ぎ、
人の地道な暮らしが始まる。
女神は己れの未熟を悟り、
救いと裁きを祈り求めた。
四界を見守る《月天女》、
請いに応え界境路を鎖す。
女神の夫が深手を負った。
女神の悲嘆に耐えかねて、
副主神たる《智水神》、
身代わりとなり 帰天した
 
 * その界における神格としての聖別命数(存在権限)を委譲し界を去ること。
 ※ 神格の帰天は、いわゆる人格の「死」とは異なる。

とつぜん魔族が攻め込んだ。
大地に戦の備えは無かった。
女神は必死に防いだが、
多くの仲間が奪われた。
ヒトも応えて女神と結ばれ、
やがて女神は双子を産んだ。
半神半女のやんちゃと泣き虫、
みる者すべてを笑顔にさせた。
副主神たる《智水神》、
女神を愛すと仲間の噂。
ところが女神は恋をした。
被造物たる、ヒトの子に。
歌って踊って笑って食べて、
女神と仲間は大地を巡った。
泉を呼び出しみどりを育て、
虫とけものとヒトを創った。
女神の名前は《自在に踊る》。
四界の一つの主神となった。
多くの仲間の助力を受けて、
無限で無窮の大地を成した。
はじめに女神が選ばれた。
女神は仲間を呼集した。
花々星々のすばるが如く、
女神の仲間が集まった。
妹神は深く悲嘆し兄神を責め立てた。
兄神はこれを疎んじ自ら軍勢を率い、
穏やかなる開地平界に侵攻蹂躙した。
かくて四界の絆は断たれ、
界峡月女神の監視の下に、
四界の渡橋は閉ざされた。
兄神は姉神を恋慕した。
姉神は邪欲を嫌悪した。
妹神は嘆き憂いて諫め、
弟神は冷笑し傍観した。
兄神は姉神の純潔を汚し、
姉神は永の眠りについた。
四界は相往来し互いに栄えた。
閉球浄界は学究と技芸を愛し、
閉球洞界は武勇と権勢を誇り、
開地平界は歌舞と自由を好み、
開地球界は進化の万華を選び、
日々は永遠に続くと思われた。
四柱の神々と眷属は四界を創始した。
姉神の統べる閉球浄界。
兄神の統べる閉球洞界。
妹神の統べる開地平界。
弟神の統べる開地球界。
四界はまた一つの大界でもあった。
はじめに四柱の神々があった。
長姉たる姉神。
長兄たる兄神。
次姉たる妹神。
末子たる弟神。
四つ柱の神々は、それぞれに眷属を招集した。

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